先輩のメッセージ・高橋 孝次

担当の品物については全部、自分の裁量に任されています。

澤光青果では、基本的に「仲卸し」を通さずに、資格(買参権)を持った社員バイヤーが、当日、市場から直接仕入れることで、「鮮度がよくて安い」、いわゆる「お値打ち青果」をお客さまに提供しています。
私はいま、仕入統括部長として澤光青果全店の仕入を統括し、また、菌茸類の仕入れを担当しています。
仕入れ担当の面白さは、ひと言で言えば「担当の品物については全部、自分の裁量に任される」という醍醐味ですね。もっとも、その「醍醐味」というのをひと言で表現するのはとても難しいですけど(笑)。

グループ全店で必要とされる翌日の青果物の量については、夜、店を閉めた後くらいに一枚の注文表にまとめられてFAXで送られてきますから、これを見て自分が担当する菌茸類の翌日の仕入の全体量を把握します。
もっとも、その時間に市場はやっていませんから、注文を出すことはできないので、実際には昼間、自分が市場にいるうちに翌日分を予約注文してしまうんです。
ですからまずここが、自分にとってその日最初の決断となります。
毎日やっているので大体の注文量は把握できているんですが、翌日の天候はもとより、タイアップ関係にある卸売会社の東京青果の担当者、中卸しなど市場の関係者から翌日の入荷状況や値動きなどの情報も「仕入れ」てから、自分なりの「さじ加減」を加えた上で注文を出しています。
ですから、この時に自分が判断した注文量とその夜の注文表に載っている実際の注文量がピッタリ一致すればホッとしますが、大きく違ったりすると次の日の朝はちょっと忙しくなります。

実際の注文量が予定よりも多いと「欠品」になってしまいますから、そんな時は卸売会社や中卸しなどの顔馴染みを駆け回って品物を集めます。
逆に実際の注文量が少ないと品物があまる事になりますから、今度は各店の店長さんにお願いしてなんとか引き受けてもらって売ってもらうしかありません。
今ではそんな失敗もなくなりましたが、初めの頃は結構判断ミスもあって、いろんなところで頭を下げていましたよ(笑)。
それから、当日、市場を回っていてウチのウリとなるような「お値打ちの菌茸類」が見つかった時には自分の判断で買います。
これも毎日状況が違いますから、やっていて本当に面白いですね。

今日はどんなものに出会えるのかというワクワク感。

その日どんなものが出てくるのか分からない面白さ。予約の分も含めてですが、今日はどんなものに出会えるのかというワクワク感。
澤光青果のバイヤーは「目利きのプロ」としての自信と誇りを持っていて、市場でも一目置かれる存在ですが、皆、「いい品物」に出会うと自然と嬉しくなっちゃうんですね(笑)。
自分が担当する品物を確保したらば、アシスタントと一緒に各店ごとに分荷していきます。
とにかく鮮度が勝負の商売なので、この作業はトラックのドライバーも加わって全員でやります。自分の分が終わったら他の品物の分荷を手伝います。
この時ばかりは、というか結局いつもそうなんですが、澤光青果ではお客さまに新鮮で安くておいしい青果を提供するというのがなによりも優先されるので、店長だの、バイヤーだの、といって格好つけていられないし、アシスタントだから、バイトだからっていう垣根もないんです。

皆が力を合わせて、お客さんにいい品物を提供して、「おいしかったよ」と喜んでもらいたいっていう気持ち、澤光青果で働いているうちに、そこは皆一緒になってくるんですね。
逆に皆がそういう気持ちにならないと、「お値打ち青果物」は提供できないんじゃないでしょうか。
この日の朝の便に乗せた青果物は、だいたいその日の午後には店に並びます。
それから午前中の状況をみて、当日の午後、あるいは翌日の午前分で足りなくなりそうな品物などを確保して午後の便に載せて店舗巡回に行きます。
友人などに話すと「大変だね」ってよく言われますけど、私は今の仕事に満足ですね。本当に忙しい毎日ですけど、とても充実した毎日が送れていると思います。

PAGE TOP